目には見えないほど小さなダニ。
家の中には、布団やカーペット、ソファなどあらゆる場所に様々な種類のダニが生息しています。
この記事では、ダニの生態、ダニが発生する原因、繫殖を防ぐための簡単にできる掃除方法をご紹介します。
また、ダニの駆除方法、おすすめのダニ駆除グッズ、ダニに効果がない対策についても詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ダニを駆除することで、健康リスクを軽減し、快適で清潔な生活空間を維持することができます♪
ダニの生態
ダニは、クモ、カニ、エビ、ムカデ、ヤスデなどと同じ節足動物で、全世界で約4万5千種類存在すると言われています。
ほとんどのダニは体長1mm以下の微小なサイズですが、一部のマダニは吸血時に体長が1cm以上に膨らむことがあります。
体型は主にずんぐりした楕円形のものが多いですが、一部には扁平な形状や細長い形状を持つものも存在します。
ダニは、湿度の高い環境を好み、埃や皮膚から剥落したフケ、アカ、カビなどを餌としていますが、一部のダニはペットや家畜に寄生し、血液を吸って生息しているのもいます。
さまざまな種類のダニが存在しますが、日本の屋内に生息する代表的なダニの種類は、ヒョウヒダニ(チリダニ)、コナダニ、ツメダニ、イエダニといわれています。
これらのダニは、室内に生息することから「屋内塵性ダニ類」と呼ばれ、寝具やソファーなど家中のさまざまな場所を好んで住み着きます。
ダニは、一匹から数十〜数百の卵や子ダニが生まれるほど繁殖力が高く、短い期間で増殖するので、放っておくと家の中で大量発生します。
特に、湿度が高くなる6〜7月の梅雨時期に繁殖し始め、8月~9月以降は多くのダニの死骸が残ります。
ダニは非常に微小なため、目で確認することは難しく、家中のさまざまな場所に生息しているので、気づかずに吸い込んでしまい、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、鼻アレルギー等を引き起こすなど、健康への悪影響が問題となっています。
「屋内塵性ダニ類」の特徴
屋内に生息するダニは主に、ヒョウヒダニ(チリダニ)、コナダニ、ツメダニ、イエダニの4種類です。
それぞれの特徴を以下の表にまとめてみました。
ダニの種類 | エサ | 生息場所 | 特徴と影響 |
ヒョウヒダニ(チリダニ) | 埃、フケ、アカ、汗 | カーペット、ベッド、寝具(枕、布団)、ソファなど | ・1年中生息している ・人を刺すことはない ・ダニの体や死骸、糞(フン)が原因で、アレルギー(アレルゲン)を引き起こす要因となる。 |
コナダニ | 食品(砂糖・乾燥果実・味噌・削り節・煮干・小麦粉・チーズ・チョコレート)、ツメダニなど | 畳のワラ、貯蔵食品など | ・梅雨や秋口に増殖する ・人を刺すことはない ・大量発生すると、コナダニを捕食するツメダニが増殖し、ツメダニによって刺されたり咬まれたりする。 |
ツメダニ | ヒョウヒダニ、コナダニなど | カーペット、畳など | ・梅雨や秋口に増殖する ・人を刺し、赤く腫れてかゆみを伴った皮膚炎を発症させる |
イエダニ | ネズミ、人 | ネズミの体内 | ・5月頃から9月頃にかけて増殖する ・ネズミに寄生する吸血性のダニ ・ヒトからも頻繁に血を吸う ・ネズミに寄生しているので、感染症を媒介する恐れがある |
これらのダニが、家の中のあらゆる所に生息しているなんて・・・ゾッとしますね・・・
ダニが発生する原因
ダニが発生する原因は主に、「人やペット」、「高温多湿」、「エサ」の3つです。
この3つの原因によってダニが発生し、大量発生しやすくなります。
以下の項目でそれぞれ詳しくご説明します。
ダニが発生する原因:人やペットを経由して家の中へ侵入
ダニが発生する主な原因は、人やペット自体です。
肉眼では確認することが難しいため、普段生活しているだけで、知らず知らずのうちに何匹ものダニを家に持ち込んでいます。
ダニは、人が住む空間だけでなく、外にもいるため、外出先で接触したり、ペットの散歩や外で遊んだりする際にも付着することがあります。
これらのダニは衣服やバッグを通じて家に侵入し、ペットの毛に付着したまま家の中に入り込みます。
その結果、日常生活の中でダニの数は増え続けてしまうのです。
ダニが発生する原因:高温多湿
ダニは温暖で湿度の高い環境を好みます。特に25〜30度の温度はダニにとって最も好ましい環境です。
ダニは、温度が高いと活動が活発化して繁殖し、温かい環境ではダニの発育も速まります。
一方で、低温環境になるとダニの活動や繁殖は制限されます。
一般的には摂氏10度以下がダニの活動を制限する効果があるとされています。
特に、摂氏0度以下の極寒の環境では、ダニの種類にもよりますが、生存能力が著しく低下します。
また、湿度が高い環境でもダニは繁殖しやすくなります。
特に50〜70%の湿度は、ダニの成長や増殖に最適な環境と言われています。
ダニが発生する原因:栄養源(エサ)
ダニは、人やペットから出たフケやアカ、皮膚、皮脂、生活の中で出たホコリ、カビなどをエサとしています。
そのため、生活の中で人やペットがよく使用する場所である、カーペット、フトン、ソファ、ぬいぐるみなどの表面や繊維に付着し、エサを食べ、繫殖を繰り返しています。
また、ホコリやカビが蓄積された場所(例えば、ホコリまみれの床や棚、エアコンなどの家電など)もダニにとって最高に過ごしやすい環境となります。
ダニの繁殖を防ぎたい!簡単にできる掃除方法
ダニの発生や繫殖を防ぐには、こまめに掃除をして、生息場所をできるだけ減らすことです。
この項目では、簡単にできる掃除方法をご紹介します。
ダニを減らす効果的な掃除のポイントもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
掃除のポイントは3つ!
掃除方法をご紹介する前に、掃除のポイントを3つご紹介します。
ポイントは以下の通りです。
ダニ掃除のポイント
- 定期的に掃除機をかける
- 定期的に天日干しをして乾燥させる
- 定期的に洗濯する
どの掃除場所でも共通するので、この3つのポイントを意識して実践しましょう!
簡単にできる!掃除方法
ダニ掃除方法
- 窓を開けて換気をし、マスクをつける
- 布団や枕、カーペットを天日干しして乾燥させる
ダニは高温多湿が苦手なため、生息しづらくさせます! - 家具や床、カーペット、布団などにダニが付着している可能性があるので、掃除機を使って徹底的に吸引する
※特に布団や枕、マットレスは、ダニが大量発生しているので、徹底的に掃除機をかけてホコリやダニの死骸などを吸い取りましょう! - 掃除機をかけた後に、家具や床、畳を固く絞った濡れ雑巾で拭き、乾燥させる
※カビが発生しないよう、必ず乾燥させましょう! - 布製品や寝具、カーテン、クローゼットの中で、長く保管していた衣類などを洗濯する
※洗濯した後は必ず完全に乾燥した状態で元に戻しましょう!
ポイント1
掃除機をかける際のポイントは、カーペットや布団の奥に潜むダニや繊維に絡んだフンや死骸を時間をかけて丁寧に吸い込むことです。
ゆっくりと動かしながら、奥深くまで届くように心掛けましょう。
ポイント2
布団やカーペットを干す際は、布団たたきを使って布団の表面を撫でるようにしてホコリやダニの死骸を払い落としましょう!
やりがちなのが、布団たたきで叩いてダニやホコリを落とそうとしますが、実はその方法、逆効果なんです・・・
叩くことでダニや汚れがキレイに落ちると思いがちですが、布団の中にあるダニの死骸を細かく粉砕してしまったり、生きているダニが布団の奥に入り込んでしまいます。
ダニの駆除方法
ダニは、定期的に掃除を行っても、生活をしている限り繫殖を繰り返します。
どんなにきれいな家でも、完全に退治することは残念ながら難しいです。
しかし大切なのは、「少しでも多くダニを減らすこと」です。
この項目では、簡単に実践できるダニ駆除の方法をご紹介します。
布団乾燥機を使って駆除
ダニは、人が生活する空間によく集まります。
特に毎日使用する布団は、繊維が密集しているため、ダニが隠れやすく、フケやアカ、皮脂などのエサが豊富に揃っているのでダニにとって住みつきやすい最高の環境です。
そこで布団に付着した厄介なダニを駆除するには、布団乾燥機を使用することがおすすめです。
高温での乾燥がダニの繁殖を抑制し、ダニやダニの卵を簡単に駆除することができます。
また、布団乾燥機袋があれば、ぬいぐるみや服など、布団以外のアイテムも熱風によってダニ退治することができます。
布団乾燥機を使ったダニの駆除方法は以下の通りです!
布団乾燥機でダニを駆除
- 布団を掃除機でしっかりと掃除し、ホコリやダニの死骸を取り除く
- 布団乾燥機を設置する
※注意点として、使用する布団乾燥機が布団に適しているか、あらかじめ取扱説明書の注意事項を確認しましょう! - 布団が均等に広がるようにして、乾燥機にセットする
※複数の布団を一度に乾燥させる場合は、重ならないように注意しましょう! - 布団乾燥機の温度と時間を設定
※一般的には高温(60度以上)で30分以上の乾燥が推奨されますが、布団乾燥機の機能や布団の素材によって異なる場合がありますのでご注意ください! - 乾燥が完了したら取り出す
※指定した時間が経過したら、布団乾燥機から布団を取り出します。取り出した布団はしっかりと揺らしてダニやホコリを落とし、風通しの良い場所で数時間程度放置しましょう!
布団乾燥機がない場合は、コインランドリーの乾燥機を利用してダニを除去しましょう!
ダニ除去グッズの利用
重度のダニの発生や駆除が困難な場合には、専用の駆除剤を使用しましょう。
ダニ駆除専用の殺虫剤や防虫剤を使用すれば、素早くダニ退治ができます。
次の項目では、おすすめのダニ駆除グッズをご紹介します!
効果あり!おすすめのダニ駆除グッズ
素早くダニを退治するには、ダニ駆除グッズを利用しましょう。
この項目では、効果的なダニ駆除グッズをダニが多く生息する場所ごとにご紹介します。
家全体に発生しているダニにおすすめ!「くん煙剤」
くん煙剤メリット
- くん煙剤は煙やガスとして広範囲に拡散し、ダニやその卵、幼虫を効果的に駆除します。
部屋の隅々まで届き、ダニが潜んでいる場所にも効果的です! - くん煙剤は一度の使用で数週間から数ヶ月間、ダニの再発を抑制することができます。
これにより、定期的な使用や頻繁な対策が必要ありません。 - ペットにも安心の低煙・低香料タイプのくん煙剤も販売されています!
- 火災報知器に反応しない霧タイプもあるので、マンションなど集合住宅にお住まいの方でも安心して使用できます!
カーペット・マットレスにおすすめ!「ダニ捕りシート」
ダニ取りシートメリット
- 製品によっては化学殺虫成分を使用していないタイプもあるから安心・安全!
- マットレスやベビーベッド、カーペットに置くだけ!設置が簡単!
- 殺虫成分が入ってないものは赤ちゃんがいても使用可能!
- ソファやカーペット、クッションの中、布団の下はもちろん、押入れの中やペットハウス、車の中などにも手軽に使えて便利
- 使用後の処理も簡単!
ソファ・クッションにおすすめ!「ダニ駆除スプレー」
ダニ駆除スプレーメリット
- 気になる所にスプレーするだけ!
- どの製品も比較的速乾性があるので、布製ソファ、フトン、まくら、座布団、クッション、ぬいぐるみ、カーテンなど様々な場所に手軽にスプレーできる!
- 製品によっては、除菌・消臭効果もあり!
- 中には、畳に挿して注入するタイプの薬剤スプレーも!
【気を付けて!】ダニに効果がない対策とは?
ダニ対策のためになりそうで、実はダニを退治することはできない対策や、かえって悪化させてしまう対策があります。
実践する前にあらかじめ把握しておくことで、効率的にダニ退治をすることができます。
では、効果がない対策とはどのようなものなのでしょうか?
以下の項目で、それぞれご紹介します!
布団やマットレスを叩いてダニを落とすこと
布団やマットレス、クッションなどを天日干しする際に、パンパン叩いてダニを落とす方法は、ダニの死骸が舞い上がって空気中に広がり、さらに拡散するため、かえって逆効果です。
ダニの死骸や糞は微細な粒子で、肉眼では見えにくいため、部屋中に舞って広がると、気づかないうちに体に入り込みます。
その結果、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などさまざまなアレルギー症状を引き起こす恐れがあります。
一度の対策で完全な駆除を期待すること
ダニは非常に繁殖力が高く、一度の対策で完全に駆除することは難しいため、継続的な対策が必要です。
ダニは環境に適応しやすく、生息地である家や部屋の中で日々繫殖しています。
一度の掃除や駆除で一部のダニを取り除いても、残ったダニや卵が再び増殖し、数を増やしてしまうのです・・・
ですので、ダニの駆除を効果的に行うためには、継続的な対策が重要です。
対策方法としては、定期的な掃除や、布団やベッドの定期的な洗濯、ダニ防止グッズを使った予防などを行うことが必要です。
除菌スプレー
除菌スプレーは、主にカビや菌の繁殖を抑制することを目的としているので、ダニに対しては効果はありません。
しかし、ダニのエサであるカビの繫殖を防ぐことができるので、ダニの減少に役立つかもしれません。
まとめ
以上、ダニの生態、ダニが発生する原因、繫殖を防ぐための簡単にできる掃除方法、ダニの駆除方法、おすすめのダニ駆除グッズ、ダニに効果がない対策についてご紹介しました。
ダニは小さな生物で、目に見えにくいため、日常生活の中で気づかずに存在しています。
ダニを完全に退治することは難しいですが、ダニが住みにくい環境を作ることで、少しでも減らすことが出来ます。
大切なのは「定期的な掃除」。
基本的には掃除機を使って家具や床、カーペット、布団などを徹底的に掃除し、ダニの死骸や糞、ホコリを吸い取ることが大切です。
特に布団やマットレスは、掃除機で念入りに清掃しましょう。
掃除をする際のポイントは以下の通りです。
ダニ掃除のポイント
- 定期的に掃除機をかける
- 定期的に天日干しをして乾燥させる
- 定期的に洗濯する
ダニを完全に駆除することは難しいですが、少しでもダニを減らす努力をすることで健康への影響も軽減できます。
定期的な掃除や湿度・温度の管理、効果的なダニ退治グッズ、適度な換気、洗濯などを継続的に行い、なるべく清潔な環境を保つことで、家にいる時間を快適に安心して過ごすことができます。
ムリなく続けて、少しでも多くダニを減らしましょう!