
床にワックスをかけたいけど、種類が多くてどれを選べばいいか分からない
ワックスがけのコツも知りたいな

ワックスには「樹脂ワックス」「水性ワックス」「半樹脂ワックス」「乳化性ワックス」の4種類があります。
それぞれ使用できる床材や成分、効果が異なるため、ワックス選びは慎重に行いましょう。
この記事では、ワックスがけの効果やそれぞれの特徴、キレイに仕上げるコツなどについてご紹介します。
また、おすすめの樹脂ワックスを用途別に5つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
目次
【はじめに】床ワックスの効果

ワックスがけには、以下の3つの効果があります。
- 床の保護
- 床の美観を保つ
- 掃除がしやすい
ワックスをかけることで床を美しく保つだけでなく、長期的な保護効果も得られるので、メンテナンスとして非常に効果的です!
使用するワックス剤によりますが、半年~1、2年を目安に定期的に塗布しましょう。
床ワックスの種類と特徴


ワックスって全部で何種類あるんだろう?
それぞれの特徴も知りたいな

床用ワックスには、大きく分けて以下の4つの種類があります。
- 樹脂ワックス
- 水性ワックス
- 半樹脂ワックス
- 乳化性ワックス
これらのワックスには、成分の違いや使用できる床材、効果などが異なります。
この項目では、それぞれの特徴について詳しく解説します。
種類 | 樹脂ワックス | 水性ワックス | 半樹脂ワックス | 乳化性ワックス |
成分 | 合成樹脂 | 蝋(ロウ) | 合成樹脂/蝋 | 蝋/溶剤 |
耐久性 | ◎ | △ | ○ | △ |
耐水性 | ◎ | △ | ○ | |
光沢 | ◎ | ○ | ○ | △ |
適応する床材 | クッションフロア フローリング/コンクリート/Pタイルなど | ビニール床 (クッションフロアなど) | ビニール床 (クッションフロアなど) | 無垢材 (白木など) |
樹脂ワックス
樹脂ワックスは、アクリル樹脂やウレタン樹脂などの合成樹脂を主成分とするワックスです。
樹脂ワックスの最大の魅力は、「他のワックスと比べて最も高い耐久性を持つこと」です。
その理由は、2つの主成分にあります。
1つ目の主成分である「アクリル樹脂」は、ガラスの10倍以上の耐衝撃性を持ち、太陽光や雨風に強い耐候性・耐水性が特徴です。
もう1つの主成分である「ウレタン樹脂」は、耐摩擦性や柔軟性に優れ、ヒビ割れや変形が起きにくいという特徴があります。
これら2つの特性を兼ね備えた樹脂ワックスは、強靭で柔軟な塗膜を形成するため、長いもので約2年間その効果を発揮します。
ただし、傷に弱いという弱点があるので、ハサミなど鋭利な物の落下や、ペットのひっかき傷には注意が必要です。

ガラスよりも透明度が高く、高級感のある光沢な床に仕上がります
樹脂ワックスの代表商品は、リンレイ「オール」です。
オールは、ベーシックタイプの樹脂ワックスで、長年にわたり人気を誇る商品です。
さまざまな床に対応可能
参考:PMMA(アクリル樹脂)の特徴と用途|湯本電機株式会社
参考:ポリウレタン樹脂とは|株式会社MAZIN
水性ワックス
水性ワックスは、蝋(ロウ)を主成分とするワックスです。
水性ワックスの最大の魅力は、「ワックスがけに慣れていない人でも扱いやすいこと」です。
強力な塗膜を形成する樹脂ワックスに比べて塗膜が薄いため、万が一失敗しても剥離しやすく再塗布も簡単に行えます。
また、ロウは合成タイプと天然タイプの2種類があり、肌の弱い方やアレルギー症状が出やすい方でも安心して使用できます。
ただし、耐久性が低くて剥がれやすいことや、耐滑性がないといった弱点があるため、市販ではほとんど取り扱われておらず、最近ではあまり使用されていません。
半樹脂ワックス
ソフトタイプワックスとも呼ばれる「半樹脂ワックス」は、樹脂ワックスと水性ワックスの中間的な性質を持つワックスです。
半樹脂ワックスの最大の魅力は、「樹脂・水性ワックス両方の良い点を兼ね備えていること」です。
樹脂ワックスの特徴である強力な塗膜を持ちながら、水性ワックスの要素である剥離や再塗布が簡単にできます。
ただし、樹脂ワックスよりも耐久性は低いので、数カ月~数年ごとにメンテナンスが必要です。
また、家庭用での販売はほとんどないため、使用する際は大容量タイプの業務用を使用する必要があります。
半樹脂ワックスの代表商品は、リンレイ「パーモソフトテカ」です。
大容量タイプ
乳化性ワックス
乳化性ワックスは、蝋(ロウ)と溶剤を主成分とし、塗装されていない無垢材専用のワックスです。
日本家屋やバンガロー、寺社仏閣の床や柱に使用されることが多く、無垢材の弱点である水分を保護する効果があります。
また、一部の商品には防カビ剤が配合されており、劣化や腐食を防ぎます。

施工後は、適度な光沢感が出ますよ♪
代表商品は、リンレイの「乳化性白木ワックス」です。
防カビ剤配合
【用途別】おすすめの樹脂ワックス5選

市販されている床ワックスの中でも、最も多く取り扱われている『樹脂ワックス』
さまざまなメーカーから数多くの商品が販売されているため、どれを選べばよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
そこでこの項目では、おすすめの樹脂ワックスを用途別に5つ厳選したので、それぞれご紹介します。
最大2年!最強耐久「ウルトラタフコート」
商品名 | ウルトラタフコート |
耐久 | 約2年 |
タイプ | 液体タイプ |
耐傷性 | ◎ |
仕上がり | 光沢 |
ウルトラタフコートは、最も耐久性に優れた商品で、約2年間効果を発揮します。
一般的な床ワックスは、長くても半年程度で効果が薄れてしまいますが、ウルトラタフコートなら通常の4倍の耐久性があるので、メンテナンスの手間を大幅に軽減できます。

仕事や家事で忙しく、メンテナンスに時間をかけられない人におすすめの商品です♪
最大2年効果を発揮!
水まわりの床に「防水タフコート」
商品名 | 防水タフコート |
耐久 | 約1年 |
タイプ | 液体タイプ |
耐傷性 | ◎ |
仕上がり | やや光沢 |
防水タフコートは、その名の通り耐水性に特化したワックスです。
通常のワックスは水に弱く、水分が付着したまま放置するとワックスの膜が白化し、剥がれやすくなることがあります。
しかし、防水タフコートには防水ポリマーが配合されているので、水を弾き、床への浸透を防ぐ効果があります。

キッチンや脱衣所、ペットの食事スペースなどの水まわりにおすすめの商品です♪
水まわりにおすすめ
赤ちゃんやペットに優しい「オールプレミアム」
商品名 | オールプレミアム |
耐久 | 約1年 |
タイプ | 液体タイプ |
耐傷性 | ◎ |
仕上がり | やや光沢 |
オールプレミアムは、安心にこだわった床ワックスです。
抗菌成分が配合されているため、菌の繫殖を抑え、床を衛生的に保ちます。
クッションフロアやビニール床、Pタイル、フローリングなどさまざまな床材に対応しています。

小さなお子さんやペットがいるご家庭におすすめの商品です♪
カビや菌を防ぐ
傷や黒ずみが目立ちにくくい「スタイルコート」
商品名 | スタイルコート |
耐久 | 約1年 |
タイプ | 液体タイプ |
耐傷性 | ◎ |
仕上がり | 光沢 |
フローリングの色合いは、大きく分けて次の2種類があり、色合いによって悩みが異なります。
- 明るい色(ホワイト系やライトベージュ、ナチュラルなど):黒ずみ
- 暗い色(ダーク系やブラック系など):細かな傷や家具の引きずり傷
明るい色のフローリングに専用のスタイルコートを使用することで、硬いワックスの層が形成されます。
そのため、汚れが付着しにくくなり、黒ずみを防ぎます。
一方、暗めのフローリングには弾力のあるワックスの層が形成されるので、衝撃を吸収し、傷が付きにくく、目立ちにくくなります。
明るめのフローリングに
ダーク系やブラック系に
いつものお掃除感覚で手軽に「オールワックスシート」
商品名 | オールワックスシート |
耐久 | 約4カ月 |
タイプ | シートタイプ |
耐傷性 | △ |
仕上がり | やや光沢 |
オールワックスシートは、その名の通りシートタイプの簡易ワックスです。
お手持ちの床用ワイパー(クイックルワイパーなど)にシートを取り付ければ、いつもの掃除感覚で簡単にワックスがけができます。
液体タイプのワックスに比べて耐久性は劣りますが、初心者でもムラなく均一に塗ることができます。
初心者さんにおすすめ
【ワックスがけ】キレイに仕上げる3つのコツ


ワックスをキレイに塗るにはどうすればいい?
どんなコツがあるのかな?

厚塗りや塗りムラなどの失敗を防ぐためにも、以下の3つのコツを抑えたうえで施工しましょう。
- 施工前にホコリや汚れを取り除く
- できるだけ薄く均一に塗る
- しっかり乾燥させる
施工前にホコリや汚れを取り除く
ワックスを塗る前に、床の掃除を行いましょう。
フローリングの掃除が不十分だと、床とワックスの間に汚れを閉じ込めてしまいます。
その結果、ホコリや異物が混入したり、黒ずみや白い粉(パウダリング)が発生して仕上がりが汚くなってしまいます。
一度混入した汚れや異物は、簡単に取り除けないので、掃除機と床用ワイパーを使って丁寧に掃除をしましょう。
ワックスは適量使う
ワックスは、適量を使用することが大切です。
「量が多い方がフローリングをしっかり保護できそう」と考えがちですが、ワックスを厚く塗りすぎると塗りムラが生じやすくなり、仕上がりが悪くなる原因になります。
反対に、少ない量で塗ってしまうと、ワックスの効果が十分に発揮されず、床が傷ついたり、汚れが染み込みやすくなってしまいます。
商品のパッケージに記載された注意事項をよく読み、指定された量を守って正しく使用しましょう。
しっかり乾燥させる
ワックスを塗った後は、しっかり乾燥させましょう。
十分に乾燥しないうちに部屋に入ったり、家具を戻したりすると、ワックスに足跡やホコリ、汚れが付着し、そのまま硬化してしまいます。
最悪の場合、剥離してから再び施工することになってしまうので、よく乾かしましょう。

ワックスがけは、できるだけ天気の良い日を選んで行うことをおすすめします!乾燥が早く進み、短時間で作業を終えることができますよ。
【ワックス塗布後】フローリングの美観を維持するには?

ワックス塗布後、フローリングの美観をできるだけ長く維持するには、以下の3つが重要です。
- 定期的な掃除
- 2~3年に1回は剥離してから再塗布
- 定期的にワックスを塗る

定期的な掃除
フローリングの美観を維持するには、定期的な掃除を心がけましょう。
床に付着したホコリや汚れの粒子がワックスの層を傷つけてしまい、劣化を早めてしまいます。
その結果、被膜が剥がれやすくなったり、光沢が失われてくすんでしまいます。
最低でも週に1~2回は、掃除機やクイックルワイパーを使って汚れを取り除きましょう。

水性ワックスを使用している場合は、剥がれやすくなるため水拭きは避けてください。
2~3年に1回は剥離してから再塗布
床の状態にもよりますが、2~3年に1回はワックスを剥離してから再び塗布しましょう。
ワックスは、部屋に入り込む紫外線や気温、湿度の影響を受けて、日々どんどん劣化していきます。
劣化したワックスの層に新しいワックスを重ね続けると、古いワックスに蓄積した汚れが目立ったり、フローリングそのものに負担がかかり、劣化してしまうことがあります。
そのため、2~3年に1回は古いワックス層をしっかりと取り除き、新しいワックスを塗布しましょう。
定期的にワックスを塗る
ワックスは、繰り返し塗布することを前提に作られています。
効果を維持するためには、定期的にワックスがけを行うことが重要です。
使用するワックス剤によりますが、数カ月~数年ごとに効果が薄れるタイミングで塗布しましょう。
まとめ
以上、ワックスの効果や種類、特徴、さらにおすすめの樹脂ワックスなどについてご紹介しました。
- ワックスには「床を保護する」効果がある
- ワックスは、樹脂/水性/半樹脂/乳化性の4種類がある
- 市販での取り扱いが多いのは『樹脂ワックス』
ワックスは、ホームセンターやネット通販など、さまざまな場所で手軽に購入できます。
ワックスを選ぶ際のポイントは、自宅の床材に対応しているか、施工頻度(耐久性)はどれくらいかを確認することです。
自分の目的に合った商品を選び、正しい方法で使用しましょう。
さまざまな床に対応可能